韓国のWEB小説家が作品を作る方法 (1) - ロリとライトセーバー
はじめに
今回は私が小説を書くときの方法について話してみたい。ただ私がずっと使ってきた媒体が小説だからそう言ってるだけで別に小説に限った話じゃない。私の作品全般で通用する創作の原則みたいな感じかな?
ただ説明するだけじゃ全然面白くないので実際新しい作品を一つ考えながら書いてみようと思う。そしてこれを読む前に前提として話しておきたいことがある。
まず私は韓国で契約を結んで小説を連載している。プロと言えるかもしれないけど、書き方について正規の教育を受けたことはない。だから客観的にいい方法かはわからない。ただ小説を書いたことのない初心者が真似しやすい方法だとは思う。
そして私はオタクで書いているのはサブカルチャーの作品だけ。他のジャンルとは書き方が違うかもしれないので、それを踏まえて読んでほしい。
前置きがちょっと長かったけど早速書いてみよう。
1. キャラクター
作品を作る時真っ先に考えるべきものは何か。もちろんそれは人によって違うけど、私なら必ず「キャラクター」って答える。他のジャンルは知らないけどサブカルチャーでキャラクターは命だと言える。大きく分けると読者側の理由と作家側の理由がある。
私もオタクだから自信を持って言えることなんだけど、オタクは結構キャラがきっかけで作品も好きになったりする。あまり好きじゃない作品でもキャラの魅力で見続けたり。逆に好きな作品でも嫌いなキャラのせいで見なくなったり。極端な言い方をすればストーリーがゴミでもキャラが魅力的なら好きな人はいる。作品の寿命=キャラの魅力に近いと思う。これは読者側の理由で、作家側の理由もある。
自分が嫌いなキャラは正直自分でもあまり書きたくない。別に嫌いなキャラじゃなくても必要に応じて作っただけのキャラとかもそう。それはやる気に直結する。エンディングがいくら神でも、完結しなければそのエンディングは誰も見られない。キャラは読者の為にも大事だけど作家自身のためにも大事だと思う。
だから私はまずキャラを作る。どんな内容になるかは関係ないし知らないし、今のところ興味もない。自分が魅力的だと思うキャラを作る。これに正解はないのでただ自分の欲望に素直に従えばいい。元々創作とはそういう物だと私は思ってる。
じゃ早速やってみるけど、急にロリキャラが作りたくなったので、まずそれを前提にして考えてみる。ただ本当にロリの目線で書くと「子供+女性」になって、「男性+大人」の私には書きづらい。だから中身は成人男性ということで。これだけで見た目はロリなのに行動は成人男性というギャップが生まれる。
でもこれだけじゃまだ何者でもない。ここで私は最近YouTubeでスターウォーズの動画を見たのを思い出して「ロリにライトセーバー持たせたらかっこいいんじゃね?」って思った。
2. 世界観
これでキャラの簡単な形ができた。同時に新しい疑問が二つ付いてくる。「なんで成人男性が急にロリになってんの?」という疑問と「なんでそいつがライトセーバーを持ってんの?」という疑問。
この疑問に答えていくとそれがそのまま世界観になる。設定は先に作るんじゃなくてキャラが投げてきた疑問に答えることで自然と設定が決まっていく。
先ずは「なんで成人男性が急にロリになってんの?」という疑問に答えてみよう。これは非現実的な事件だから、必ず非現実的な設定が付いてくる。そしてややこしい問題も一緒に付いてくる。「どうやってロリになったの?」とか「これからどうするの?」とか。現代社会だと身分の問題で相当困るだろうし、それをいちいち考えるのは正直面倒くさい。
一番手っ取り早い方法は異世界に送ること。他の世界に行った時点で元の身分は関係なくなるし、急にロリになった理由も自由に考えられる。ただ「とにかく異世界に行きました」だとちょっと物足りない。
そこで私が考えたのが、韓国のWEB小説でよく使われる「憑依」という概念。韓国だと「現代人の主人公が小説やゲームの世界のキャラになってしまう展開」を指す言葉。ここでこの主人公は「ゲームの世界に存在するあるロリキャラの中に入ってしまった」という設定になる。
この設定は目標も一緒に決めてくれる。どんな作品でも主人公の目標が大事だと思う。目標がわからないと「で?これから何すんの?」ってなりがちだから。ルフィなら「海賊王になる」のが目標で、ナルトなら「火影になる」のが目標だった。もちろん過程で小さな目標を置くのも大事で、それがストーリーの展開になる。
異世界に行ったという設定だけで、目標は簡単に決まる。普通の現代人は急に異世界のロリになったら「ここでロリとして楽しく生きていこ」よりは「なんとか元の世界に帰る方法を探そ」って思うはずだから。
だから初心者でも書きやすい。一見異世界転生と同じように見えるし、実際ほぼ似てる概念だけどそれとは違う長所がある。その異世界が「主人公がやり込んだゲーム」なら主人公がその世界について知ってても全然おかしくない。だから元の世界に帰る手がかりを探すことにも役立つ。チートアイテムとかグリッチ行為とかで、主人公が強くなる展開も作りやすくなる。
おわりに
ここまで決まったことを簡単にまとめるとこうなる。「現代人の主人公が急にゲームの中のロリキャラに憑依しちゃって家に帰る方法を探す物語」という感じ。キャラについて考えてみただけで簡単なあらすじが生まれたってわけ。しかもそれも一つの文章でまとめることができる。
もちろんこれだけじゃまだ全然物足りない。こういう作品はいくらでもあるし、全く差別化ができてない。つまり「わざわざこの作品を読まなければならない理由」がないに等しい。
ここで重要になるのが序盤でも話してた「なんでそいつがライトセーバーを持ってんの?」という疑問。主人公がロリになる展開は多いかもしれないけど、そのロリがライトセーバーを持っている展開はそんな多くないから。この疑問の答えが「この作品は他と違う」という差別化になる。
簡単なあらすじはここまで。次はまだ残ってる疑問について答えてみよう。