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韓国のWEB小説家が作品を作る方法 (2) - アーケインパンクと魔導工学

はじめに

前回では作品の簡単なあらすじについて考えてみた。そして今回はそれを元に詳細の内容まで決めていく。あらすじは「現代人の主人公が急にゲームの中のロリキャラに転生しちゃって家に帰る方法を探す物語」だった。そして答えてない疑問は「なんでそいつがライトセーバーを持ってんの?」だった。じゃ早速始めてみよう。

1. なんでライトセーバーを持っててもおかしくないのか

その疑問に答えるために考えるべきことは「このキャラがライトセーバーを持っててもおかしくない理由」だと言える。異世界っていったら中世ファンタジーが定番なのに、何の説明もなく中世ファンタジーでライトセーバーを持ってるのはちょっとおかしいから。

これには「アーケインパンク(Arcanepunk)」という概念で簡単に答えることができた。簡単に言えばスチームパンクに魔法を足したやつ。「魔導工学(Magitek)」みたいな用語が使われる。鋼の錬金術師を考えたら理解しやすい。厳密に言えばちょっと違うけど雰囲気としては似てる。ライトセーバーは魔導工学を使った発明品ってことにすれば説明はつくし、持っててもおかしくない。

でもこれだと逆に主人公が特別じゃなくなるという問題がある。魔導工学は技術なんだから、別に主人公だけが使えるわけじゃない。つまりこのままだと、ライトセーバーを持ってるという設定があるだけで特別感が全くない。しかもロリという設定があるから、身体能力も弱いのが自然。戦闘は必然なのに主人公は弱すぎて、殴られるだけの内容になっちゃう。

それも使い方によっては面白くなるけど、この場合ロリが殴られるだけの特殊性癖のエロゲーみたいになっちゃう。そもそも韓国でよく言ってるような「代理満足」という観点からも、別に世界観最強じゃなくても何か特別な才能とかを持ってた方が読者も満足感を得やすい。

つまりここでは「結局主人公は何が特別なの?」という疑問が残る。別に特別じゃなくても面白い作品はあるけど、初心者からしたらこっちの方が無難に面白い作品を書きやすいのは間違いない。

2. 主人公の名前

ここからは名前を呼びやすくするためにまず主人公の名前を決める。作中で主人公はそのロリの体の中に入ってて、そのロリの名前で呼ばれるわけだから元の名前は「田中」でも全然OK。そしてそのロリの名前は結構悩んだけど私は「ルエル・ベルヌーイ(Luelle Bernoulli)」にした。アーケインパンクはスチームパンクとも関係があって、スチームパンクはイギリスとかヨーロッパの文化が関わってくるわけだから、名前もそういう雰囲気にしたかった。

名前の意味とかは特に考えてなくて、ほぼ雰囲気と語感で選んだ。私は個人的に名前にそこまで意味を込める必要はないと思う。読者からしたら名前の意味について考えてみる面白さもあるけど、執着する必要は全くない。一応私はほぼ気にしてない。

3. なんでルエルだけが特別なのか

ここでは「結局主人公は何が特別なの?」という疑問に答えよう。まず私が考えたのは既に存在してる設定を利用することだった。ライトセーバーが登場してるわけだし「ルエルはライトセーバーを使うのが上手い」という設定にすれば特別感はある。

ただその理由は大事。「なんとなく上手い」という設定にしたら「勇者がなんとなく運だけで魔王に勝った」みたいな展開を見せられてる気分になる。ここで前回説明した「憑依」という概念が大事になる。「田中」がなんとなく上手く使ったらそれはただの「偶然」にすぎないけど、「ルエル」が元々上手く使ってるキャラだったら、それは「必然」だから。

でもここでは「じゃルエルはなんでライトセーバー上手いの?」ってなる。これを考えてる時に私は学マスというゲームの補習組が「鶏ガラ、家柄、ゴリラ」って言われてるのを思い出した。そして「家柄」という言葉からヒントをもらった。

別にルエル本人じゃなくてもその一族自体が上手く使いこなせてるという設定ならおかしくない。そもそもこの一族が発明したという設定も悪くない。もちろんこれだとまた特別感が薄れる。ルエルじゃなくて一族がすごいだけになる。だからルエルがその一族の中でも特に上手いという設定なら自然だし特別感もある。

4. 魔導工学の原理

でもとにかく上手いだけじゃもちろん物足りない。ここでそもそも魔導工学とはどんな技術なのかを設定すればいい。その原理を詳しく設定するとルエルは何が上手いのかもっと詳しく語れるようになる。

魔導工学だからもちろん魔法と科学を合わせたようなもの。だからそのエネルギー源は魔力になる。魔法っていったらそれが定番だし。でもそれをそのまま使うと、ただの魔法であって「工学」じゃない。アーケインパンクって感じがしない。だから石油や電気みたいなものにすればいい。空気中に存在してるけど不安定でそのまま使うのは難しくて、魔石みたいな形に加工しなければ使えないという設定。

そしてそれをエネルギー源にして魔導列車とか通信石みたいな発明品が作られたって言えば、こういう発明品に関する原理を結構簡単に説明できる。ライトセーバーもそれをエネルギー源にして、大気中に存在する魔力をプラズマみたいな感じで刃にしてるという感じ。これをルエルの一族が開発して独占してる技術にすれば、またルエルの特別感が増す。そもそもライトセーバー自体ちょっと特別な物になるから。

ルエルはその出力や魔力の制御が上手くてもはや剣の形じゃなくて盾にしたり、魔力で剣圧を飛ばしたりもできる。これでライトセーバーだけでも、防御したり遠距離攻撃したりが可能になる。これだと設定としては自然になるけど「ルエルって完璧すぎじゃね?」という疑問もある。そこまで戦闘能力が完璧だと「全部殴って解決すればいいんじゃ?」ってなるのが問題。それについては今はちょっと省いておこ。

5. 魔石から広がる社会設定

せっかく主人公が特殊な一族で世界観では貴族みたいな存在になったわけだし、その設定を生かしてもっと世界観を深めることができる。

まず魔石を作る技術は一部の国家とか一族が独占してる。そうすると序盤で簡単な例として話した魔導列車とか、そういう魔石を使った社会基盤を使える貴族とそうじゃない貧民が生まれる。それにより身分や生活の差ができて貧富格差や差別といった社会問題も生じる。

そういう社会問題は創作の世界観の中では興味深い事件と面白い展開を作れる材料になってくれる。ルエルはその独占する恵まれてる側にいるから、同時に恨まれやすい側にもいるってことになる。それがきっかけで貧民と喧嘩になったり、それが原因で暗殺されそうになったりするかも。

あと加工された魔石だけじゃなくて自然にも魔石が存在しててそっちの方が質がいいという設定を入れたらまた色んな可能性が生まれる。魔石の鉱脈を巡って国同士が争ったり水面下で奪い合ったりしてるから、貴族と貧民の問題だけじゃなくて国と国の問題にもなる。魔石が世界のあちこちで争いの火種になってるとか。

おわりに

これで世界観はほぼ確定した。でもこれだけじゃただの設定。ライトセーバーを使ってるロリがスチームパンクみたいな世界観で生きていくような内容だから、結構差別化はできてる。でもまだ魅力がない。今はただライトセーバーを使ってるロリというだけで、性格とかも決まってない。

もちろん最後には帰るのを目標にするけどその道中でどんな状況に置かれて今は何をするのかが決まってない。次はそれについて語っていきたいと思ってる。

「ルエルって完璧すぎじゃね?」とか「全部殴って解決すればいいんじゃ?」という疑問についても答えていきたいと思ってる。

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